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研修手法2:相互啓発ワーク

研修の受講生が持っているスキルや経験を効果的に活用して、研修を組み立てるためのセッションとして、大変有効なやり方が相互啓発ワークです。相互啓発ワークでは、研修講師対受講生という構図ではなく、研修に参加しているすべての人が主体的にセッションに参加することができます。このため受講生の人数がかなり多くなっても、研修を効果的に実施することができます。また受講生同士のコミュニケーションが活発になるので、研修終了後もお互いに連絡を取り合うなど様々な効果を生み出します。

1.相互インタビュー

目的

メンバー同士でお互いの経験や考え方などをインタビューし合うことによって、メンバー同士の親密度をアップさせ、お互いに触発し合うことを目的としています。研修の導入時に実施するチーム固めとしては、他のいかなるセッションよりも効果的です。

進め方

お互いの経験や考え方をワークシートに沿って、紹介する人、インタビューする人、記録する人、オブザーブする人に分け、それぞれの役割を交互に回していきます。一人当たりの時間は8分から12分程度、5人のグループだと45分から60分で実施します。

注意点

一人ひとりがしっかりと主役になれるよう、グループごとの相互インタビューの様子、進み具合をみながら適切に介入することが重要です。

2.相互アセスメント

目的

研修期間中のスキルの発揮状況をメンバー同士でお互いにアセスメント(どの程度発揮できたか点数化あるいは順位づけをする)することによって、自分の現時点での状況を見つめなおし、行動変革の方向性を明確にします。共に研修を過ごしてきたメンバーからのフィードバックは、受講生の心に響きます。

進め方

人事制度と連動させて基本スキルやマネジメントスキルの発揮状況をアセスメントします。人事制度と連動していない場合は、相互アセスメントを実施する前に、課題討議として「われわれに求められる行動」のようなテーマを設定し、そこでのアウトプットに基づいてアセスメントすると効果的です。

注意点

受講生にとってアセスメントをしてフィードバックするのは、精神的な負担感があります。ネガティブな感じにならないような提示の仕方とアセスメントチェックのやり方を工夫することが大切です。

3.相互アドバイス

目的

お互いがコミットメントした自己の行動変革目標などに対して、受講生同士がアドバイスをすることによって、研修終了後もお互いに意識を高く保つことを促します。また自己を棚にあげることで、他メンバーへのアドバイスが自分自身への言葉となります。

進め方

研修のまとめとして、最後のセッションに実施します。ネガティブにならないようにお互いにポジティブな声かけをするよう促します。

注意点

一人ひとり時間を区切って、個人ごとに相互アドバイスできるよう適切な提示をすることが大切です。

4.イメージ交換

目的

お互いに感じている相手のイメージを交換することによって、自分を客観的に見つめなおす機会にします。

進め方

ワークシートに沿って、お互いの印象について、感じたままをなるべくポジティブな表現にして、もらってうれしい言葉として交換し合います。

注意点

単純に印象を交換するだけでは、話がまとまらず時間がかかります。あらかじめ表現のしかたを例示することが必要です。

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