研修手法3:個人ワーク
個人スキルを醸成するためにも、研修の中で個人作業のセッションを設けることは有効です。個人ワークであれば、受講生が何人いても実施することができます。ただし、講師や受講生同士との関わりがないので、個人ワークは必要最小限に留め、必要以上に時間を割かないこと、あるいは個人ワークとグループワークを相互に関連させるなどの工夫が必要になります。
1.テスト
目的
研修テーマに沿って理解状況を確認するためのテストを実施します。知識の有無を確認し、自己の状況を把握することで、学ぶべきポイントが個人別に浮き彫りになります。
進め方
選択式から記述式まで研修テーマに沿ってテスト問題を作成します。理解促進討議法と関連させて実施することも効果的です。
注意事項
受講生が納得できるテスト問題を作成できるが一番のポイントになります。
2.棚卸し(洗い出し)
目的
自分の現状について様々な観点から棚卸をして自己分析をすることで、今後のキャリア開発のポイントを浮き彫りにします。
進め方
知識、スキル、強み、弱み、成功体験、失敗体験から個人として持っているネットワークなど様々な観点から自分が持っていることを棚卸します。
注意事項
研修テーマに沿ったワークシートを設定することが大切です。現時点で保有しているものだけでなく、将来の希望、目標なども洗い出すことも大切です。
3.コミットメント
目的
研修で学んだこと、感じたことに基づいて、今後どのような目標を設定するのか、そのために何をするのかなど、個人ごとにコミットメントすることで、研修終了後に自己課題として定着させることを目的としています。研修時間に余裕がない場合を除き、すべての研修の最後に実施するべきセッションです。
進め方
研修テーマに沿って、ワークシートに行動指針をできるだけ具体的に記入してもらいます。ワークシートだけでなく、日頃自分が使っている手帳などに転記させるなど、より定着させるような工夫が必要です。
注意事項
コミットメントした内容に基づいて、相互アドバイスをしたり、職場の上司に伝えてフォローアップするなど、やらせっぱなしにしないことが大切です。