教育制度（教育体系）

本来ならば、教育制度は人事制度の中に含まれる概念であり、人事制度上の評価要素や処遇のための要件（キャリアパス）と連携していることが大切になります。

社員に求められるスキルとは何かを、階層別と職種別に明確にし、それを人事制度上の評価要素とします。また重要なスキルについては、それを保有していることを昇格の条件とするキャリアパスとして位置づけます。これさえ決定すれば、あとはシンプルな教育体系を創るだけで十分です。

ところが実際には人事制度と教育制度を切り離して実施している企業が多数見られます。教育制度を構築しようと思ったら、まず人事制度上の評価要素を見直す必要がありますが、できることなら人事制度そのものまで見直す方が効果的でしょう。そうすることで簡単に教育体系を整備することができます。

人材育成型人事制度における教育体系の例

	階層別研修			全社共通研修	ジョブスキル研修
	タイトル	ねらい	内容		営業部	管理部	生産部
	経営幹部研修	戦略思考のポイントを学ぶ ※様々な情報を的確にとらえて、最適かつ最も効果的であり優先順位の高い戦略とは何か？という的確に判断するポイント	○情報を読む視点 ○判断するための質問 ○戦略分析ツール		○商談管理 ○マーケティング ○交渉力 ○提案力	○業務知識 ○事務処理能力 ○社内サポート ○説明力	○生産管理技術 ○品質管理技術 ○社内サポート ○説明力
				メンタルヘルス研修 チームプロセスマネジメント研修 業務プロセス管理の基本となるマネジメントサイクルを体得するための野外歩行ラリー研修 ○プロセス管理 ○マネジメントサイクル ○状況判断	営業プロセス研修 マーケティング研修 交渉力研修 提案力研修 など	システム関連 財務・税務 労務管理関連 プレゼン研修 など	生産管理 品質管理 プレゼン研修 など
	新任管理者研修	管理者への昇格とともに、人事制度における職務	○目標管理と人事評価 ○マネジメントの再確認
	マネジメント職候補者研修	マネジメント職の昇格を目前にした者に対して、マネジメントスキルについて理解を深めてもらうとともに、マネジメント職としての適正を判断する材料とする。	○人材マネジメント ○業務マネジメント
	基本行動ブラッシュアップ研修	レギュラー職に昇格した者に対して、基本スキルに関する考え方、スキル、スタンスについて学ぶ。	○基本スキルについて
	新入社員研修 ※含中途入社	就業規則、人事制度、コンプライアンス、調査等、当社のビジネスとルールについて学ぶ。当社の社員としての自覚と最低限のエチケットマナーを学ぶ。	○就業規則の理解 ○商品サービスの理解 ○人事評価について ○エチケットマナー		担当業務基礎知識習得（OJT） チューター制度 商品知識習得研修