研修手法5:ロールプレイング
営業、顧客サービス、プレゼンテーションや部下指導などの人と接する各局面における対応力を培うために、それぞれの役割を演じることによって、スキルアップを目指す方法です。簡単にいえば、実際の場面を想定して、具体的に練習することです。非常に効果のある研修手法です。
1.ケースロープレ
特定の場面を設定したケースに基づいてロールプレイングを実施します。また、対応の仕方を指定するようなやり方もあります。テーマによっては短時間で実施することができ、スキルを身につけるためには最適のやり方です。
2.リアルロープレ
実際に起きていることをテーマにしてロールプレイングを実施します。コーチング研修などでお互いの実際の状況に合わせてロールプレイングを実施します。スキルだけでなく、実際の問題解決に役立つこともあります。最低でも15分の時間をとってじっくりと進めることが大切です。
3.全員ロープレ
1対1、あるいは1対2になって、全員が同時にロールプレイングを実施する方法です。ケースロープレ、リアルロープレのいずれにおいても実施することができます。ロールプレイングは見ているだけでは、スキルは身につきません。実際に体験して初めて感覚がつかめるものです。研修においてはできるだけ全員ロープレの時間を長くとることが重要です。全員ロープレであれば、受講人数が多くても研修を実施することができます。ただし、講師のファシリテーションスキルが低いと全体がバラバラになってしまいます。
4.グループロープレ
グループ単位でロープレをします。2対2になる場合や、それぞれが違う役割を持って実施する場合があります受講生それぞれが主体的に参加できるので全員ロープレと同じような効果があります。ただし、講師のファシリテーションスキルは全員ロープレよりも高度になってきます。特にテーマの設定やそれぞれの役割についてしっかりと設定しておくことが大切です。
5.代表ロープレ
代表者が前に出てロールプレイングを実施します。営業研修の顧客対応時などにおいて、特定のスキルを醸成するためには大変有効です。代表ロープレは、演技している人の様子を見て、受講生全員を同じスタンスに立たせることができます。全員ロープレをする前段階として、イメージを共有する時にも有効です。代表ロープレは、基礎力というよりも応用力を養うもので、受講生は多くても12名前後という小人数で、講師と受講生がマンツーマンで指導する必要があります。
ロープレは見ているだけでは、ほとんど役に立たないので、代表ロープレの多用はあまり効果的でありません。